当協会は、国の年金財源を当初は年金福祉事業団、その後、年金資金運用基金を経て、 現在は、独立行政法人福祉医療機構から借受けて厚生年金被保険者に対して転貸融資の
方法により貸付ける年金住宅融資事業を行っております。
年金住宅融資事業(年金被保険者住宅融資制度)とは、民間金融機関による個人向け住宅 融資の借入が非常に困難であり、住宅金融公庫(現 住宅金融支援機構)からの融資のみでは
住宅資金が不足する状況下の昭和40年代後半に住宅資金への需要に対応するため、また 年金被保険者への福祉還元の充実を求める意見の高まりに答えるために社会的使命を帯びて
創設された融資制度であります。
年金被保険者に対する福祉還元であるという性格から民間金融機関では取扱が困難な 長期の低利融資であり、他の融資制度の様に物件価格や借入者の所得等に着目して融資
条件を定めるのではなく年金被保険者期間に着目して融資条件を定めることにより、他の 融資制度と組み合わせて利用することが可能となる等の利点があり、経済界や労働界の
意向も勘案して住宅資金に対する年金被保険者の需要に広く応えてきたものです。
年金被保険者住宅融資制度においては、還元融資の本旨から事業主を通じて被保険者に 対して貸付けを行うこと(転貸融資)が原則とされましたが、企業内の福利厚生として従業員
向けの住宅資金貸付制度が無い等の事業主の事情によりこの制度を利用出来ない事業所の 被保険者に対して広く融資の途を開くため、旧民法第34条に基づき設立された法人が転貸
融資を行うことが出来る旨が定められ、当協会はこの転貸民法法人として設立の許可を受け 転貸融資事業を行ってまいりました。
当協会の昭和51年の設立以来の融資実行累計は、件数17万件超、金額1兆3千億円超で、 ピーク時の貸出残高は、件数84千件、金額6,172億円に及んでおります。
当事業は、「特殊法人等整理合理化計画」(平成13年12月19日閣議決定)により新規融資は 廃止となりましたが、現在、当協会は返済中の多数ユーザーからの返済条件変更相談への
対応をはじめとする多様な管理回収業務を行っており、ユーザーの利便に応ずるとともに 年金財源の毀損を防ぐべく努めております。
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